あの日は全て欠航だった。知床遊覧船

去年の夏に訪れたばかりの知床でウトロから知床岬へ向かう遊覧船の痛ましい事故が起きてしまった。連日、テレビで映し出されるウトロの港の映像が胸に突き刺さる。

去年、ウトロを訪れた日も天候があまり良くなく、数軒ある遊覧船の会社はどこも運休の看板が出ていたっけ。せっかく北海道、それも知床に来たので１社くらい運行しているところがあれば参加するつもりで探していた。結局、その日は運行しているツアー会社はなく、海から知床岬を眺めるツアーは断念したのだった。

今回の事故で、考えを改めた。

天候が原因で電車が運休したり、飛行機やフェリーが欠航したり、リフトやゴンドラが止まっても、潔く諦めるか待つしかないと！悪条件でも決行している会社があれば疑念を抱くようにしなければと。

生活のかかった漁業操業ならともかく、観光客相手の遊覧船がこれほど主観的でエイヤーな判断で催されてる会社があるなんて・・・また季節が違うとはいえ、船長の経験や技量にこれほど依存するような場所（コース）だったのかと・・・

ほぼ自己責任が前提の登山、トレッキングや波乗りなどと違って、危険と隣り合わせなエクストリームな体験が売り物のツアーではない。多くの乗客を乗せた遊覧船が、知床の4月の海に沈むなんて悲痛すぎる。

ニュースを見ていて、このようなアクティビティにどう判断して参加すればいいんだろう・・・と深く考えてしまった。遊覧船に限らず、自然を相手にしたツアーにどこまで慎重に自己判断すれば良いのか・・・

催行していても天候が怪しそうか最後は自己判断で決める？信頼できる会社か？経験豊富なガイドか？のチェックが必要？過去に経験豊富な従業員が一斉に解雇された・・・そんな内情、知り得ることなんてできない。

それとも、なすすべがないことを受け入れるしかないのか？
今回の事故だけは例外中の例外と捉えていいのか・・・とも。


「知床」「遊覧船」で検索すると今回事故を起こした会社がトップに出てきた。サイト見てみたけど、怪しさなどみじんもなく「行ってみたい！」と思わせるようなダイナミックな写真と見やすいサイト構成で、こんな事故などなければ普通に選んでいたと思う。

会社によって催行したりしなかったりって状況だったとしたら、注意深く判断しないといけない。コンディションが悪くても中止しないような会社は経験豊富だから、ではなくブラックな会社と判断すべきなのかもしれない。

今回の事故を契機に他の知床遊覧船ツアー主催者側も今後は、・どこまで安全に配慮しているか・催行基準（天候、風速、波の高さなど？）が分かるような客観的なガイドラインを示す必要が出てくるのではないだろうか。。。

知床羅臼ビジターセンターで知床の自然の風景写真と書物を読んで、

本州と桁外れの知床半島沿岸部の厳しさと荒々しさを知り、

日本にもこれほど手付かずの自然があったことに驚いた。

道路は通じてなく完全装備と野営スキルを持ってして

電波も通じない世界でヒグマに怯えながら徒歩で行くか

遊覧船で遠くから眺めるしか手段がない場所。

そんな秘境の知床岬がますます遠くなったような気がしてならない。

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