/// Day #3 ///
知床五湖からウトロへクルマを走らせた。
山を大きく蛇行するとオホーツクの海が見えた。
夕焼け空が目の前に広がり、幌別川を過ぎたあたり、
思わずクルマを降り、岸辺まで歩いて夕陽を眺めていた。
道路の方を振り返ると、
他のドライバーたちも同じ路肩にクルマを停め、
クルマの外に出てシャッターを切っていた。
あまりにも綺麗な空だったからね。。。
ウトロの町からクルマで数分の場所にある野営場に行くとオートキャンパーでごった返していた。北海道まで来てこんなに混んだキャンプは避けたい。。。
ウトロで夕食を済ませたら陽が暮れてしまったけど、知床峠を越えて羅臼方面に行くことにした。あっちの方に2箇所ほどキャンプ場があり1箇所が管理人さんとコンタクトが取れたのだ。遅くなっても大丈夫なので着いたら連絡くださいとのこと。
「やった〜!ありがたい。」
夜の帳が降りて、濃霧の知床峠を越えて峠を降り切ると霧から雨に変わった。去年の夏と合わせて知床峠は三往復くらい通っているけど暴風雨だったり濃霧だったりで羅臼岳の勇姿はまだ見れず。根室海峡の真っ黒な海辺を走る。午後八時半、キャンプ場についた。誰もいないただの海沿いの原っぱだった。
キャンプ場と道を隔てた向かいにゲストハウス?と、管理人さんのご自宅らしき建物。管理人さんに訊いてみると雑魚寝で良ければ泊まれるとのこと。
今宵は雨だし、これからテント設営も気が重いのでゲストハウスに投宿することにした。部屋は大広間で地元の方と思しきおっちゃん3人が寝ていたので起こさないようにそぉっと奥に布団を広げて毛布に潜った。雑魚寝部屋は何年ぶりだろう?こんな時間のチェックインもちょっと最近ないな。。。
あのまま、ウトロの激混みのキャンプ場に泊まっていたらこの展開はなかったなぁ〜〜と、ライフジャケットがぶら下げられた天井を眺めながら思ったのだった。
こんな予想外な時間の予想外な展開が楽しい。
/// Day #4 ///
気づかなかったけど夜中の3時ごろに一度目が覚めた時には、三人のおっちゃん達はもう居なかった。朝、目覚めて入口の方を見るとやっぱり居なかった。夜中から出て行ったので釣り客だろう。
大きなスペースは貸し切り状態でごろごろと。
窓の外を眺めると広場のようなキャンプ城と海が見渡せる。
この日はどんよりした海だったけど、晴れていたら国後島が見えたはずだ。
うすグレー色の海を眺めながら昨夜買っておいたコンビニのおかずで朝食を摂った。
看板を見るとライダーズハウスと書かれている。
曇っているけど学生の合宿のような若々しい朝の気分だ。
隣に崩れかけの熊が入った家屋。
と、
道を隔てた向かいにキャンプ場。
晴れていたら最高なキャンプ場。
朝食を済ませて知床岬方面へ向かう。本当なら国後島が間近に見えるはずなんだけどな。あいにくの空模様・・・
ちょっと話が逸れる。
少し国後島について調べてみた。エリツィン大統領まではあまり見向きされなかった極東の地が、
プーチン大統領になってからは実効支配がどんどんと進んでいるという話。学校が建ち、インフラが整い、国後島で生まれ育った世代の人口も増えつつある。
僕たち日本人は何ができるのだろう?何もできる気がしないけど、無知ではいけない気がする。
奪われた土地、もとい奪われてもいない日本の土地や財産を守っていかないといけないと思う。こう言うととても右寄りに取られてしまう空気感が今の日本にはある。右ではなくむしろ真ん中で当たり前のことだと思うんだけどな。。。今の領土を拡大しようと企むのが右派だろう?
折りもおり自民党総裁選で候補者が思いを述べている。野党がいろんなこと言ってる。ちゃんと日本のことを思って日本を護ろうとしている政党・政治家は誰だろう?いつもそう思いながら見守っている。
閑話休題。
相泊港は青森の竜飛先の風情に似ていた。芥川龍之介が『津軽』で
「竜飛だ。」とN君が、変つた調子で言つた。「ここが?」落ちついて見廻すと、鶏小舎と感じたのが、すなはち竜飛の部落なのである。兇暴の風雨に対して、小さい家々が、ひしとひとかたまりになつて互ひに庇護し合つて立つてゐるのである。ここは、本州の極地である。この部落を過ぎて路は無い。あとは海にころげ落ちるばかりだ。路が全く絶えてゐるのである。ここは、本州の袋小路だ。読者も銘肌せよ。諸君が北に向つて歩いてゐる時、その路をどこまでも、さかのぼり、さかのぼり行けば、必ずこの外ヶ浜街道に到り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すぽりとこの鶏小舎に似た不思議な世界に落ち込み、そこに於いて諸君の路は全く尽きるのである。
竜飛が本州の袋小路だと書いている。
相泊は北海道の袋小路に思えた。宗谷岬でもなく納沙布岬でもなくここが袋小路。ギリギリまで漁師の家々が建っていてここであっけなく終わっている。この先にあるのは道はなく、昆布漁師の番屋だけだ。
相泊(あいどまり)道道終点
白いかもめが最果て感を掻き立てる
知床世界遺産ルサフィールドハウスで見つけた本。
知床岬へは道が通じておらず、一般旅行者は原則立ち入ることができない。
自力で知床岬を目指す人への情報をこのルサフィールドハウスで得ることができる。
知床峠まで立ち入りが禁止されてはいないんだ・・・熊の心配がなければいいんだけどな。(笑
ヒグマが生息する場所なので食事の匂いやゴミは厳禁!
もしもヒグマと遭遇しても逃げるのは厳禁!追っかけられる。
丸腰で行ってヒグマと出会ってしまったらどうしたらいいんだろう・・・
満潮時には埋没してしまう知床世界遺産で一番ワイルドな瀬石の海中温泉。
脱衣場や洗い場はなく、駐車場からも湯船がよく見える。
逆に湯船からの駐車場や道路がよく見渡せる。(笑)
潮の干満で湯加減が変わるがいい具合だった。
入浴可能な時期は7月〜9月とのこと。
昨夜、風呂を逃したので、
ちょっと浸かった。
最高!!
満潮の時は海水に浸かるんだから無理ないですね。
岩がにゅるにゅるしてるのは全然大丈夫!
野趣溢れる温泉、楽しめました。
ありがとうございます!
羅臼でガソリンを補給したら最北東端のガソリンスタンドだった。
至って普通で名刺を渡されるまで分からなかったよ。
この日もずっと天気はいまひとつで明日の最終日にかけて下り坂の予報。
明日はフライトなので女満別空港に近い網走湖まで移動する。
道中は多くのツーリングライダーとすれ違った。夜になって雨が本降りになってきた。
網走市内ビジネスホテルのパーキングも大型バイクがずらり並んでいた。
バイクだったら早々にビジネスホテルに逃げ込んでいただろう。
雨のトレッキングや登山なら楽しみを見出すことができてもツーリングは滝行だと思う。(笑
網走湖畔に静かなキャンプ場を見つけたのでそこでテントを設営。
網走市街からも近く、綺麗なサイトなのにここも無料だった。
網走市内にコインランドリーを見つけたので洗濯物を回す。
その間に敷地内の大型スーパーでアサリ、ホタテ、ブリ、イカを買い出し。
鮮魚、刺身、寿司はびっくりするくらいお値打ち・・・
タープを叩く雨音の中、北海道の海の幸で最後の晩餐!
綺麗な写真が撮れていないのが後悔!
/// Day #5 ///
最終日
雨の網走湖畔
雨の女満別空港
はっきりしない天気の5日間だったけど、初日&二日目の大雪山黒岳登山&トレッキングは快晴。二日目夕方に雷雨に遭うも下山後、クルマに乗り込みぎりぎりセーフ!三日目の知床五湖散策も天気良く知床連山を見ることができて感無量。
もぅ毎月、道東に来たいくらいだわ。。。
2021.8.6 〜 2021.8.10 Hokkaido, JAPAN
■2021 夏旅 北海道道東No.1 大雪山黒岳へ!!『神々の遊ぶ庭』と呼ばれる絶景をトレッキング - Trek Daisetsuzan National Park
No.2 斜里の広域農道探訪 - Rural landscape with straight farm road of ShariNo.3 ただただ美しかった夕刻の知床五湖 - Shiretoko five lakes landscapeNo.4 知床旅情を味わう♫ 熊の入った家、瀬石の露天風呂 - Hidden charm of Shiretoko, Bear's guesthouse, 'Seseki' Wild hot springs.
■2020 夏旅 北海道道東7ヶ月ぶりのフライト♪ 道東へ・・・ - Drive around Eastern Hokkaido
■リンクライダーハウス「熊の入った家」 | Rider House "Kumanohaittaie"
北海道Style | 知床世界遺産ルサフィールドハウス
知床財団(PDF)| ルサ
GOOD! HOKKAIDO! |【羅臼のセセキ温泉】干潮時しか入浴できない秘湯感たっぷりな海中温泉
拝啓、旅人様。 | 呼子浦キャンプ場