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断崖をゆく - 薩埵峠 -
東海道と伊豆に行ってきた。
関西に住む身には静岡は日帰り圏外である。
週末の土日を使ってもじっくり見てまわるには少々遠い。
まとまった休みとなると逆に信州、九州、東北、北海道へ足を伸ばす。
また、休みに交通量の多い東海道にわざわざ好き好んで出かけることもない。

しかしまたこの『東海道』というコトバは旅感をそそる響きがある。

20代のとある年の晩秋。
東京モーターショーを見に当時の会社の同期と2人でバイクで行ったっけ。
どうせなら往復ともずっと一号線で行こうや!ってことになり秋の寒い朝に京都は三条大橋で待ち合わせ嬉々として出発したことを鮮明に覚えている。
これで東京の日本橋にゴールしたら現代版東海道五十三次を制覇や~!なんてね。
出だしは結構ワクワク気分だったのだ。しかし、甘かった。。。

周知の通り一号線なんてほとんど市街地の道を往復1,000キロ走ったようなものでちぃーーーっとも面白くもないツーリングだった。。。
東京で落ち合った4コ下の後輩達は新幹線で3時間。
1コ下の総務の女の子は飛行機で1時間。
一番先輩のボクたちは8時間。
なんでやねーーーん!

東海道にはそんな苦くも楽しい思い出があるのだけれども歳をとるにつれ、弥次さん喜多さんが歩いた東海道、広重が描いた東海道を機会があればじっくり見てみたいと心の片隅で思っていた。
そんな折、土日あわせて5日間の季節外れの休みが取れたので伊豆の周遊と東海道の穴場巡りへと相成ったのだった。
ちょっとリベンジも兼ねて!

断崖をゆく - 薩埵峠 -_b0108109_205495.jpg
16番目の宿『由比』の倉沢集落。

すぐ海側にJR東海道、国道一号線、東名道が束になって海岸を貫いている。

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箱根峠、鈴鹿峠に次ぐ東海道の難所であった薩埵峠(さったとうげ)から東を望む。

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富士のふもとは日暮れ、今日最後の西日が富士のいただきを染める。

JR東海道線、国道一号線、東名道も昔は波打ち寄せる磯だったのだろう。

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広重が見た富士山と駿河湾。『薩埵嶺』

怖そうに崖下を眺めている旅人ふたり。。。

今となってはのどかであり険しくもあり。。。


江戸以前は海岸から引き潮を見て岩の間や浅瀬を伝って行く下道しかなく、江戸の頃から峠の中腹の急坂を縫って行く中道、峠の裏側に出る上道で行き来できるようになった。
現在、上道はもう通れないが中道は両側がみかん畑と石垣塀の間の急坂を行く一車線路。セダンの対向車が来てずずずーーっとバック。
崖下の往来激しい東名道と一号線からは想像もつかないローカルな道なのだ。
もう少し道草食っていたら夕暮れに間に合わなかったところだ。

優美な美人画や街道の浮世絵を遺した歌川広重という男は実はとてもワイルドな旅人でありハードボイルドな画人だったんじゃないか?


2009.2.21 Yui, Shizuoka, Japan

追記:2009.4.12
東海道五十三次の広重をとてもワイルドな旅人と書きましたが東海道を旅せずこれを描いたというのがすでに定説だそうです。
昨日TVで『広重の東海道五十三次の実際の場所』『手本となる絵の作者』を探る内容の2時間スペシャルを見て知りました。(@@;
要約すると、
- 東海道五十三次は広重が実景を見て書いたものではない。
- 広重は東海道を旅していない。
- 実景と異なる絵が何点か見受けられる。
- この浮世絵にそっくりな司馬江漢が描いたとされる西洋画が存在しこれを元絵にした説があるがこれも贋作の説が強い。
- 広重の絵に極似の絵が何点も存在し、どれを手本に描かれたのか諸説あり。
だとか。
当時の浮世絵は
版元⇒絵師⇒彫師⇒刷師
による共同作業で出来上がるのですが、版元の依頼で当時無名だった広重は手本となる元絵を参考に東海道五十三次を書き上げたそうです。
元絵は司馬江漢が書いたのではとの説もありますが、この絵も贋作(江漢が書いたのではなく)で江漢、広重の死去後に描かれたものだとか。
ではどの絵を手本に書いたのか??諸説さまざまではっきりと判っていないそうですね。
無名で貧しかった広重は版元から依頼された五十三次シリーズで一躍有名になるのですが実にシュールな話だなぁと思います。
広重はワイルドな旅人なのではなく、売れない絵を書き続けた実にインドアな遅咲きの絵師だったのですね〜。
やれやれ(^^
by travelster | 2009-02-24 21:32 |  ├中部 - Chubu | Trackback | Comments(8)
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Commented by scottts at 2009-02-25 05:54
この広重の150年以上?も前の絵と写真との対比が実に面白く
興味をもって見くらべました。 富士山の手前の山の形が全く同じ
(当たり前ですね)なのがとても面白いです。
いい旅ですね。
Commented by maribali at 2009-02-25 13:57 x
広重の描いた東海道を辿るなんて素晴らしい旅行ですね。
それにしても、よく同じ場所を探し出されましたましたね。凄い!
広重がワイルドな旅人って。。。なるほどそうですよね!

私の曾祖母も明治の旅好きで。。東海道開通後ですが。
西宮から富士山を見に旅行していたみたいです。
箱根の山は馬に乗って。
旅写真が沢山残っています。
山の位置を手掛かりに「ひいおばあちゃま」が辿った場所を探すって
楽しいかも。。。

Commented by top-to-toe at 2009-02-25 16:39
夕暮れ綺麗だね。

1国かぁ。知り合いが東京でマウンテンバイク買って
愛知に帰るって1国使って、途中で断念して電車乗って、
「登っても登っても進まねーんだよ。」と愚痴しに電話してきたことを覚えてるよ。

山越えだから当たり前だってーのwww
Commented by es-c at 2009-02-26 14:25
ふおおおぉお!!
このアングルかっこいいぃーー!
ニュー広重!ファンタスティック広重でもいいかも。
温故知新なかんじも。
Commented by travelster at 2009-02-27 21:35
★scotttsさん
同じこと思いました。山の稜線が昔も今も変わらない。
手前の崖のデフォルメが広重たるところでしょうか。。。
富士山はやはり日本の象徴です。
Commented by travelster at 2009-02-27 21:42
★mariさん
明治に西宮から富士山とは長い旅ですね!
さぞかし貴重な写真なんでしょう!!一度拝見したいです♪
mariさんもそんな旅好きのひぃおばあさんの血を引いているのですね~。(^^
Commented by travelster at 2009-02-27 21:45
★saoriちゃん
関東ではイチコクなんよね~!嫁やんもそう言う。
この夕景見れただけでも良かったのかも。関西に住んでるとなおさら。。。
東京行くときなんてのぞみからだと富士山も一瞬やし!
そぅそぅ最近、折りたたみチャリ買ったのですよ♪
Commented by travelster at 2009-02-27 21:49
★es-cさんへ
うまい。ニュー広重かぁ!
でも沖合いの帆船までは真似できなかった~(笑
温故知新の写真まだまだありますのでっ。
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