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自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して

「おはようございます〜!」
「今日、ILP(Inner Line Permits)貰えたらヌブラ峡谷までバイクで1泊2日で行こうと思ってる」
「i'll be back here and stay tomorrow night... How about this schedule??」

開口一番こう切り出した。
いつものWonderlandRestaulantで朝食を済ませた後、8時からゲストハウスの屋上でまたまた宿のおとーさんと二人だけのミーティング。
ラダックに来てから土日も挟んでたので、まだILPを貰えていない。。
デリーへのフライトはいよいよ3日後の早朝に迫ってる。


自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して_b0108109_124316.jpg

いつも短い煙草をくゆらしていたおとーさん。

口数少なくしゃがれた声で話すその語り方が優しい。

息子さんは射撃競技の選手でオリンピックに出たことがある。



紙に書きながらプランを3つ出した。


プランA:復路予備日無しプラン
※何かのトラブルで5/23にレーに戻れなかったらデリーに行けない!
5/21 [午前]カルドゥン・ラ下見。 [夕方]ILP受け取り。
5/22 カルドゥン・ラを越えてヌブラ峡谷へ。フンダル泊。
5/23 カルドゥン・ラを越えてレーに戻る
5/24 [早朝]デリーへフライト

プランB:往路強行プラン
※今日の午後半日でヌブラ峡谷まで行けるのか?!(目安:積雪の無い夏期の路面で四輪で4〜5時間かかる。ギリギリすぎる。。。)
5/21 [正午]ILP受け取り。 [午後]カルドゥン・ラを越えてヌブラ峡谷へ。フンダル泊。
5/22 カルドゥン・ラを越えてレーに戻る
5/23 予備日
5/24 [早朝]デリーへフライト

プランC:ヌブラ峡谷あきらめプラン
※近場で3日間過ごす。と言っても上ラダックも下ラダックも走ったからなぁ。。。パンゴン・ツォ(標高4000mにある巨大湖)はヌブラ峡谷よりさらに遠いし。。。
5/21 終日フリー
5/22 終日フリー
5/23 終日フリー
5/24 [早朝]デリーへフライト


自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して_b0108109_13291067.jpg




今朝の結論!!!
1.カルドゥン・ラを越えてヌブラ峡谷へバイクで1泊2日は無理(遠い)と言われる。。。まだ今の季節の路面はとてもラフだからと。
 つまりプランA却下ってこと?えぇ〜〜!そんなぁ。。。(二度と来れないかもしれないのに)
2.今日(5/21)の夕方、ILP(InnerLinePermits)を受け取る。
3.諦めきれないので今から、ILPなしで行けるところまでカルドゥン・ラの下見に行って自分の目で確かめる。それで決める。と伝える。(しぶといな。俺も)


さて、どうなることやら。。。



9時すぎ、レーを出発。


遠景の緑がレーの街。早くも森林限界を越えている。
舗装路で見通しが良くなるとツアーのミニバンが飛ばして抜いて行く。


あんなクルマに命預けるくらいなら自分でバイク乗る方が全然安全だわ。
※実際、数日後11人乗りのバスが転落して4人死んだとのニュースがツイートされていた。
 路面状態が良くなってスピードが出せる様になったのが事故多発の一因だと。。。


自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して_b0108109_14355953.jpg



サウスプル(SouthPulu。南側のチェックポイント)でILPチェックを受ける。

はずなのだが、あれっ?チェックポイントを過ぎてしまったよ?!

本当ならここで引き返すつもりだったのだけど?!

ちらちらとバックミラーを覗きつつ。。。

誰も止めている姿もなく。。。

「エイヤー!!そのまま行ってやれー!」

もしもとがめられたらそれはそのときで。。。

サウスプルからはビーコンハイウェイと呼ばれる未舗装の軍用道路。

カルドゥン・ラを越えたノースプル(NorthPulu。北斜面側チェックポイント)までダートが続く。



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はるか彼方にまだレーの街が見える。



自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して_b0108109_14331557.jpg



さらに高度を上げて5,000mを越えると雪が残っていた。

南斜面でこれだから北斜面ならもっと雪が残ってるはず。

とりあえず峠までこの路面状況で積雪が無い事を祈った。



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ここまで来るとかなりガレてきた。

雪解け水が流れ、路面が深くえぐれている。

ところどころ大きな落石もあって一時も気が抜けない。

石にステップやレバーをヒットさせて曲げたりしたらジ・エンド。

だから、このあたりから峠まではシートに座らずスタンディングで走った。

このバイク、パワー無いくせにセカンドギアキープでこういう道をなんなく乗り越えていく。

オフ車の様にケツ振って走るようなバイクではない。半クラッチ多用でもトコトコと登ってくれるのだ。

わだちでスタックしてるランクルを先頭に渋滞するミニバンの横をすり抜ける優越感。^^

「この先、これ以上、悪路ありませんよーに。。。」

「峠まで除雪されてますように。。。」


と祈りながらアクセルを捻った。


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「う〜ん!絶景!!!」「ビール飲みてェ〜〜!!」

優に5,000mを越えているのに、夏用グローブで指先が少し冷たい程度で高山病の兆しもまったくナシ。

ココまで来てはじめて峠まで行ける気がしてきた。ツアー参加ならこんなハラハラドキドキ無いって話で。




Just rolling in my life, chilling all alone.

Try and fail but never fail to try...

なんだか涙が出てきた。。。

そしてそして。。。


自動車が通行可能な世界最高所の峠『カルドゥン・ラ』を目指して_b0108109_235629.jpg



Adventurous ride over khardungla pass !!!!!



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- HIGHEST CAFETERIA IN THE WORLD -



多分、世界一高いところにあるカフェ。キターーー!!

今日のデカイ目標は達成した!!!

意外にヒヤリ!ハッ!となコトも無くたどり着けた感じ?

チェックポイントまでのつもりがパーミットも持たずカルドゥン・ラまで来ちゃった。。。^^


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250cc のオンロードバイクで来てた一人乗りと二人乗りの彼ら。彼女が荷物を背負っていた。

そしてルーフにマウンテンバイクを積んだツアーミニバンが続々上がって来る。

ここからチャリでダウンヒルするんだから危ないったらありゃしない。

することないので今日はここでレーに引き返すことにした。

今日も含め、三日連続でここを通るんだから。。。



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いつも呪文の様に唱えるフレーズ

『帰心矢の如し』

気を緩めず下る。



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往きの時には無かった石を除けている。

5分ほど待つ。「カモン!!」と手を仰いでいる。

日本の様に警備員なんて居ないし路面状態は見た目判断。テキトーなのだ。。




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トラックが一台転げ落ちてるよ。



巨大なカールを抜ける涼しい風。。。

路面の振動が心地よくすらもあり。。。

まだ見ぬ往路の高揚感と緊張感も好きだけど、

帰路の達成感と開放感もこれまたいいんだな。



帰りもチェックポイントではILPの提示を求められず難なくパス。
結局3日連続3往復(=6回!)したけど、いずれもノーチェック!!
仕事してないんだか、ILPの費用だけ稼いでるんだか。


何はともあれ13時には無事にレーに到着。おとーさんに「峠まで行って来たよー」と報告。
「ILPなしでかい?」ちょっと驚いていたけど、デジカメも見せるとおー!とにっこり。


レンタルバイク屋に行って2日レンタルを延長しに行った。
「どこまで行くの?」と杉村大蔵をすこしワイルドにしたような兄ちゃん。
「ヌブラ峡谷まで行って来る」って言ったら、
「遠いぞ!止めた方がいい!」と今朝のおとーさんと同じ事を言われた。まぁそうだろう。バイク傷むしね。。。
「実は午前中、カルドゥン・ラまで行ってきたんやわ。。。」ってデジカメ見せたら大蔵くん目を丸くしてた。
それからツーリング談義に花が咲いた。


大蔵くんもロングツーリングが好きでラダックやインドを走ったツーリングフォトを見せてくれた。
気候的にはラダックが最高〜♪なのだけど、インド内陸もいいかも。。。と写真を眺めながら思った。
知られ尽くした合衆国や欧州の道と比べ世に知られていないインドの絶景ルートがきっとありそうだ。


午前中のビーコン・ハイウェイの写真を欲しがっていたので何枚か、あげた。
翌日、大蔵くんのPCの壁紙はボクがあげた写真に差し代わっていたのは笑えた^^



そうして明日のヌブラ行きは確定したのだった。プランA決行!!!!だが、


カルドゥン・ラを越えてからヌブラ峡谷までが泣きそうになるくらいに遠かった。。。


Khardung La, one of the world highest motorable pass #1 - near by Leh.





Khardung La, one of the world highest motorable pass #2 - near by South Pullu.





2013.5.21Kardung-La, Jammu and Kashmir, India


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LowerLadakh #2
LowerLadakh #3
LowerLadakh #4
The way to WonderlandRestaurant in Leh
Khardung La, one of the world highest motorable pass #1 - near by Leh.
Khardung La, one of the world highest motorable pass #2 - near by South Pullu.
Khardung La, one of the world highest motorable pass #3 - Reaching Khardung La top.


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【ラダック映画】 ラダックとロンドンが舞台のラブロマンス
【ラダック映画】 バイクに乗ってラダックを走るシャー・ルク・カーン


■Royal Enfield
Royal enfield snapshots of northern india #1
Royal enfield snapshots of northern india #2
by travelster | 2013-07-12 21:29 |  ├India | Trackback | Comments(6)
Commented by bashlinx at 2013-07-13 16:08
気持ちよさそ〜^^
Commented by travelster at 2013-07-14 11:44
★bashさん
天気&気温ベストでした!
同じ時期デリーが45度だったのに比べりゃ天国です(笑
Commented by selfish555 at 2013-07-17 12:25
スターウォーズやマッドマックスの世界みたい。
ふと見渡すとR2-D2とC-3POが彷徨ってるかもね。。。

もう行けなくなったけど日本最高所の道路「乗鞍」とはケタ違いだね。
森林限界以上だから岩肌がマル出しでワイルドが風景でんな。
Commented by travelster at 2013-07-17 22:26
★かっちゃん
お〜〜ファルコン号とか岩陰に駐機してそう。。。^^
ッて言うかこれから行く北斜面はまさにそんなところばかりで。。。

距離的には乗鞍スカイラインが敦賀から中津川あたりまでずっとって感じかな!^^
距離感無くなります。1キロが10キロに思えるよ。
Commented by 川越 at 2013-07-18 20:31 x
すごいなぁ。それにしてもバタバタと走るバイクのエンジン音が良い感じ。(^^)
Commented by travelster at 2013-07-18 22:16
★川越さん
一晩かかってアップロードしたムービー(峠まで撮ってます)がもう一本あるんですけど観れない(涙;;;
単気筒なのでいい音してるでしょう?
マフラーを換えているRoyalEnfieldはもっと歯切れの良い音してたけど
これくらい控えめな方がいいのかもしれません(^.^)

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